Channel No.42

趣味についてのいろいろ

松山久美子、雨にうたれる

六月二十一日は一年の中で太陽の光が最も私たちを照らす日である。植物たちはこの日の日照時間から逆算し、これから来る夏に耐えるための準備を進めていくそうである。

この夏至は雲が立ち込めぐずつきながら、さていつ降り出そうかと機をうかがっているような具合だ。

「なんだか今にも雨が来そうね。早く事務所に帰らなくっちゃ」

小洒落た喫茶店から出てきた彼女は今しがた雑誌のインタビューが終わったところらしい。

足早にメトロの駅へと向かう彼女を追い立てるようにパラパラと雨が降り出してくる。

「午後からのお仕事はプロデューサーに送ってもらおうかしら。いいわよね、これくらい甘えたって」

電話をかけ午後の送迎の約束を取り付けた彼女は、足取り軽やかにメトロに乗り込んだ。

すっかり人の戻った車内はじわりと蒸し暑く、マスクが体感温度を上げる。

彼女が事務所に着くころにはこの雨は上がっているかもしれない、西向きのてるてる坊主がくるりと回った。

 

夏至についてビューティーアリュールの浜川愛結奈は「近畿では夏至から半夏生にかけてタコを食べる習慣があります。地に足を付けてお仕事が出来るように、私たちも頑張っていきたいですね」と酢の物をあてにジョッキを傾けた